論文概要

タイトル:単語を基礎とするプログラムの数理的構造モデルとその効果的なプログラミング法
Mathematical Structure Model for Word Based Program and its Effective Programing
著者:荒井攻(博士(後期)課程)

Lyeeは、要件からソフトウェアを自動的に開発する新しいソフトウェア開発方法論方法である。それはプログラムの宣言的な仕様を基にすることによって仕様設計やコーディングを容易にした。宣言される抽象化の単位をLyeeでは単語と呼ぶ。一方、Lyeeでは、基本構造と呼ぶ単位に、要件を分割して仕様を捉える。画面の遷移、データベースのキー関係などの実行順序に関する明白な情報を単語のグループ(record)を単位として捉え、そのグループに属す単語の実行条件をまとめて把握する。現状のLyeeでは、この分割構造を、そのままコード化しているため、プログラムの大きく、実行速度も遅い。はじめに、この枠組みが正解を供給することを形式的に証明する。さらにLyeeという方法の基本である、そのプログラム生成の枠組みを解析し、グラフと隣接行列とを用いて、モデル化する。このモデルにグラフに関する定理を用いて、生成されるプログラムの最適化を図り、実例で検証する。仕様をリアクティブシステムのモデルとして用いられるプロセスとして捉えることによって、単語や基本構造の単位がアクションやロケーションの単位に対応し、そこで用いられる相互排除性やアトミックアクションの概念から分割の根拠を示す。プロセス制御やゲーム(オセロ)の事例で、その分割法を適用し、Lyeeの適用対象の拡大を図る。